建設業許可の承継と相続
建設業を営む個人事業主の方が亡くなった場合、これまでは建設業許可を引き継ぐことができず、後継者が新たに許可を取得する必要がありました。しかし、2019年の建設業法改正により、一定の要件を満たすことで「建設業許可の相続」が可能となりました。今回は、この制度の概要と注意点について解説します。
建設業許可の相続とは
建設業許可の相続とは、個人事業主として建設業許可を受けていた方が亡くなった場合に、相続人がその許可を引き継ぐことができる制度です。この制度は、事業承継を円滑に進め、工事の継続や取引先との信頼関係を維持することを目的として創設されました。
申請期限は30日以内
建設業許可の相続認可申請は、被相続人(許可を受けていた事業主)の死亡後30日以内に行う必要があります。期限を過ぎると相続による承継が認められず、新規許可の取得が必要になる可能性があります。そのため、早めの対応が重要です。
相続人が複数いる場合
相続人が複数いる場合、建設業許可は相続人全員で共有することができません。そのため、許可を承継する相続人を一人選定し、他の相続人全員の同意を得る必要があります。申請時には、戸籍謄本や同意書などの添付書類が必要となります。
相続人にも要件が求められる
建設業許可は、単に相続人であれば承継できるわけではありません。承継する相続人自身が、建設業法上の許可要件を満たしているか審査されます。
- 経営業務の管理責任者に関する要件
- 営業所技術者等に関する要件
- 財産的基礎などの要件
- 欠格要件に該当しないこと
主にこれらの点が確認されます。要件を満たしていない場合、相続による許可承継が認められません。
事前の事業承継対策が重要
建設業許可の相続制度は、後継者への円滑な事業承継を支援する有効な制度です。しかし、申請期限は短く、相続人が許可要件を満たしているかどうかの確認も必要となるため、事前の準備が欠かせません。特に個人事業で建設業を営んでいる方は、将来の事業承継を見据え、後継者の育成や許可要件の確認を早めに進めておくことをおすすめします。
